唐長十一代目


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唐長の唐紙文様

唐長十一代目・千田堅吉が50年以上に渡って唐紙制作に従事した経験の中で、主として江戸時代に彫られた650種に及ぶ板木文様から抜粋した文様について、額装された文様紹介と説明をします。

 

唐紙資料#10「流水」

唐長 十一代目
©️karacho

流水文は一つとない川の流れの様子を一瞬で捉えた文様で、これは日本人独特の表現である。従って海外では殆ど見かけない。

有名な波頭を表した北斎の描いた版画がある。

もうひとつ北斎ほどでも無いが、桂離宮の月破楼という茶室の襖に紅葉に流水と呼ぶ2版からなる唐紙が張ってある。

もちろん江戸時代初期のもので、唐紙復元修理は代々の唐長が担っているのだが、

アクシデントがない限り、大体は50年くらいのかなり長いスパンで修理がある。

この額にはまった流水の唐紙は桂離宮には使っていないが、長い間にかなりの頻度で使ってきた。

時には青もみじや千鳥など散らして屏風などのリクエストに応じてきた。

唐長資料#9「伏蝶」

唐長 十一代目
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珍しく2枚の板木を使って2色摺りの唐紙が出来上がる。他の文様にもあるが、それほど多くはない。

この文様のように丸文は公家好みが多い。

また、これら丸文は有職(ゆうそく)文様に属して、平安時代の衣装にも同じ文様があって、

例えば京都の時代祭や葵祭りの行列でよくお見かけのことと思う。改めて見ると、やはり雅である。

この伏蝶文を以前に唐長のカードなど唐長小物を包む包装紙に使ったことがあるが、

上品でかなり評判が良かったが今は使っていないのが、ちょっと残念だ。

唐長資料#8「鬼雲」

唐長 十一代目
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鬼の名が付く、ゴツゴツとした雲文様。これも中国渡来の雲で夏の入道雲をモチーフに図案化されたと思われる.

以前は専ら寺の襖文様に多く使われたが、現代ではパッケージの文様や小さな名刺、カードにも用途が広がっている。

 

唐長資料#7「天平大雲」

唐長 十一代目
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もともと中国渡来の雲紋であるが、今でもいろいろな所で、それもモダンに使われている。

最も目立つ使われ方では京都の中心地にあるレトロなビルのファサードにガラス面に大きく使われてかなり目立っている。

そのビルの名前はココン烏丸と言って、20年近く前に名建築家の隈研吾氏監修でリニューアルされた。唐長も烏丸通りに面した店舗がある。

唐長資料#6「霞(小)」

唐長 十一代目
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霞の種類は大中小あって、これは小さい霞雲である。昔から霞たなびくと歌に詠んだり、

春霞と言ったりと春の夕空に見かけるうっすらとした横引きの雲をそのように呼んだ。

昔の人は今よりもっと、ゆっくりとした時間を持って自然を愛でていたのだろう。

 

唐長資料#5「朽木雲」

唐長 十一代目
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呼び名の通り朽ちた木を雲に見立てた文様である。

雲文様の形は多種に渡って多くあるが、

新しい雲の形をと思う時にふと思いついた文様がこのような見立ての文様であったり、

当初からユーモア的に考えて作られたのかもしれない。

 

唐長資料#4「雪輪梅」

唐長 十一代目
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よく見ないと分からないほど、線描きの雪輪が隠されている。

この文様を大きな襖面に使った場合はなおさらである。昔の人は騙し絵のような描き方を好んだらしい。

仕事がら若い頃から目にして来た文様だが、初めは雪輪が潜んでいるとは思わなかった。あとで文様名を知ってなるほどと納得したのである。

 

唐長資料#3「光琳枝梅」

唐長 十一代目
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満開の梅が梅林の中に咲き誇っている。梅の優しい香りが漂って来るようだ。そして大胆な枝振りは呼び名の通り、琳派文様に属する。

琳派は江戸中期の光悦や宗達の独特の豊かな装飾性の表現が断続的に近代まで影響をもたらしたユニークな芸術である。

同じ光悦のころの創業の唐長もこれら琳派の影響を受けた文様が今も多く保存されている。

唐長資料#2「氷梅」

唐長 十一代目
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細くとんがった小枝が冷たく、氷梅とはいかにもと言える。一般の大きな襖より地袋や小屏風などの小さなものによく合う。

季節感があるようだが、唐紙は平面的な特徴を持っていて図案として見ると、そうでもない。

前述の小さいものにさりげなく使うと、ふと見た時に氷梅の愛らしさが際立つ。

 

唐長資料#1「梅の丸」

唐長 十一代目
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江戸時代に彫られたこの板木の裏書きに京都御苑にあった大宮御所の御局部屋の襖に使われたとある。

このように枝梅の文様を丸く納めた丸文は当時は専ら、お公家さんの襖によく使われたようだ。

今では一般住宅の襖にも使われるが、部屋の間仕切りなどにはまっている梅の丸の襖を見ると、やはりどこか品があって優雅である。


唐長十一目 千田堅吉

唐長 十一代目
千田堅吉

唐長十一代目 千田堅吉のプロフィール

1942年、京都府生まれ。

1965年、京都工芸繊維大学卒業後同年、化学商社に入社。

1970年、唐長に入店。以後6年間を唐紙製作の修行。

1976年、唐長11代目を継承。

1994年 日本伝統文化振興賞受賞

1999年 国の撰定保存技術保持者認定

2012年 旭日双光章受章

2021年 唐長当主を次代に継承

著書:2000年「唐長の京からかみ文様譜」

   2005年「京都、唐紙屋長右衛門の手仕事」ほか

 

 

 

  千田堅吉フェイスブック   https://www.facebook.com/kenkichi.senda/

  


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